映画「ツリー・オブ・ライフ」ブロガー限定試写会へ行ってきました
第64回カンヌ映画祭にて、見事パルムドールを受賞し話題となった「ツリー・オブ・ライフ」をブロガー限定試写会にて観てきました。
あまり前情報を仕入れずに挑んだものの、主演ブラッド・ピット、ショーン・ペン、公開は夏休みの真っ最中とくると、わかりやすいファミリー向け感動作なのか、でもパルムドールってことは若干哲学的な、誰でもウェルカムな作品では無いのか、「どちらでくるのかな?」と思ったのですが、明らかに前者ではありませんでした。
仕事終わりで疲れていたのもあり、冒頭部分は正直眠かったです。(笑)
オープニングはなく、いきなり場内が真っ暗闇になり急に作品が始まります。
(後で調べたら、最初の映像が映し出される前に場内が真っ暗になるのは監督の指示だそう。その他、上映に関してたくさんの指定があるそうです)
ストーリーというストーリーは無く、通常の映画であればキーとなりそうな、端々に出てくるエピソードに関する説明や伏線も無く、主人公の回想録というよりはまるで走馬灯のような映像の波に自分の身をゆだねるような形で鑑賞するので、「ブラッド・ピットとショーン・ペン、有名二大俳優がおりなす感動物語」かと思って意気込むと肩すかしをくらった気分で映画館を出るはめになることは間違い無いでしょう。
私にはエディプス・コンプレックスの経験は無いし、主人公やその他登場人物の経験や気持ちに感情移入できる部分はそう多くはありませんでしたが、それでも観るにつれ自分がほとんど忘れていた記憶の引き出しをどんどん開けられていく感覚はオドロキでした。
決して美化されていない子供の視点と合わさって瑞々しい映像美やカメラワークの効果も大きく、よりリアルさが増していて、既に70近い年齢の監督がそういった視点のリアルさを映像で表現していることに感激しました。
自分がそういった感覚でこういう映画を鑑賞できる年齢のときに公開され、スクリーンで鑑賞できたことは非常にラッキーだったなあとしみじみ思いました。
監督のテレンス・マリックは本作を加え5本しかメガホンをとっていないそうですが、次回作の話も出ているようなので是非そちらも楽しみにしておきたいと思います。
★★★★★
ツリー・オブ・ライフ 公式サイト
http://www.movies.co.jp/tree-life/
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コメント5件
テレンス・マリック監督は、瑞々しい、映像派、叙情派、という言い方もありますが、一筋縄ではいかず、結局、悠長で難解なものが多いと思います。
監督2作目の「天国の日々」でカンヌ受賞した後は、20年間、映画界から離れていました。で、再び作った映画が「シン・レッド・ライン」。これは1998年の映画で、こちらも主演はショーン・ペン。
当時、伝説の監督の映画を見ようと行ったはいいけど、展開も難解で眠かった。
>藤崎さん
哲学を学んでて教鞭をとっていたようですね。どおりでっていう感じです。
他の作品もぜひ観てみたくなりました。
前に、若い監督ばかりの時代に、ベテランの監督がすごい作品を撮って…ってお話を藤崎さんがされてましたが、エンターテイメント性の強い映画が多い昨今で公開されたこの作品もそういった印象を受けました。
20年もメガホンを握っていなくても、こんな映画が撮れるんだなあと。
わかりやすい映画もB級バカ映画もラブコメも好きですが、こういうのも結構好きなので観れて嬉しかったです。
>tunakkoさん
僕が言ったのはルネ・クレマン監督による「太陽がいっぱい」です。
当時フランス映画界は若手監督によるヌーベルバーグの旋風が起きました。
街でのロケ中心の撮影、即興演出、現場での同時録音などを多様し、従来の型を壊した作風が瑞々しいと一時代を作りました。
が、その流れを横目に「ちょっと待てよ」と作られたのが、
ルネクレマンによる「太陽がいっぱい」です。
的確な演出。計算されたシナリオ。象徴的な映像効果。
ドラマチックで秀逸な音楽などなど。
映画史的には、この一作がヌーベルバーグに終止符を打ったと言われています。「太陽がいっぱい」機会があれば見て下さい。
アランドロンってカッコいいんだ、と驚きますよ!
藤崎さん
そうそう、「太陽がいっぱい」でしたね!
勿論観ましたよ!だいぶ前にですけど。
アラン・ドロンは本当にかっこよかったですね〜
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