伝統の九谷焼と江戸ガラスの融合/九谷和グラスの製造現場を見学してきた[ニッポンセレクト.com現地レポート]その1 素地工程編
以前イベントでもお世話になったニッポンセレクトさんの企画で、現地レポーターとして石川県能美市に行ってきました。
先日金沢に行ったばかりだったので、石川県には縁があるのかなーと嬉しかったです。
金沢へ行ったときは電車で4時間ほどかけて行ったのですが、今回は飛行機で行きました。
羽田から小松空港へ、1時間ちょっとで到着しました。飛行機のほうが断然早く到着!
(金沢へは小松空港からさらに1時間ほどかかりますが、それでも早い)
今回、九谷和グラスを製造している清峰堂株式会社さんの北さんと清水さんに案内していただきました。
左が北さん、右が清水さん。
とても丁寧に、楽しく案内していただきました。
■九谷和グラスとは?
グラスの脚部分は専門の絵付け師がひとつひとつ手描きで仕上げた九谷焼を、グラスの部分は江戸硝子の職人による手作りの吹き硝子を用い、特殊な技術で接合し、九谷焼と江戸硝子のふたつの伝統工芸を融合させたグラスです。
2006年にはグッドデザイン賞(新領域デザイン部門)、2013年にはいしかわエコデザイン賞金賞、その他数々の賞を受賞している、伝統工芸の新しいカタチを提案するこだわりの逸品です。
私はニッポンセレクトさんのサイトでこのグラスのことを知り、その美しさに一目惚れしました。
今回、レポーターとして取材させていただけることになり、本当に嬉しかったです。
ニッポンセレクトさんの商品ページ
http://www.nipponselect.com/fs/nipponselect/S02130001?tp=14032018
清峰堂さんの九谷和グラスのページ
http://www.kutani-wa-glass.com/
清峰堂さんのページ
http://www.seihou-do.com/
そもそも九谷焼についてほとんど知識がなかったのですが、この取材で長い歴史があること、思った以上にたくさんの人の手がかけられていることを知りました。
■九谷焼とは
加賀藩支藩である大聖寺藩九谷村が発祥の地であることから、「九谷焼」と名付けられたそうです。
九谷焼の特徴は、「呉須(ごす)」とよばれる藍青色で線描きし、「五彩」とよばれる、赤・黄・緑・紫・紺青の5色での絵の具を厚く盛り上げて塗る彩法です。絵柄は山水、花鳥、など絵画的で大胆な上絵付けがなされており、力強い印象を与えます。 春日山の開窯をきっかけに、若杉窯、吉田屋窯、宮本屋窯、小野窯、松山窯が次々と開窯し、九谷焼のなかでも、それぞれの特徴を活かした作品が作られました。特に吉田屋窯の決して赤を使わない「青九谷」や、宮本屋窯の赤絵金彩の「赤九谷」などは顕著です。 また、明治にかけて出てきた九谷庄三の金襴手という技法が主流になり、「ジャパンクタニ」として、世界的にも有名になりました。
–金沢市 公式ホームページより抜粋
製造方法というよりは、その彩法に特徴があるようです。
現在でも原因が定かではないそうなのですが、開窯からわずか30年(40年という説もあり)で廃絶してしまいます。この廃絶するまでの間に作られた九谷焼を「古九谷」というそうです。
その後約100年の時を経て、江戸時代中期〜後期に再興され、現在に至ります。
九谷焼ができるまでの工程(型を利用する場合)をざっと紹介すると、
→砕石場で石を採り、粉末にする
→粘土にする
→型にどべい(泥漿・でいしょう)を流し込む
→型から出して乾かす
→素焼きする
→うわぐすりをかける
→本窯で焼く
→上絵付けをする
→上絵窯で焼く(商品によって焼く回数は異なる)
→完成
となります。
はしょっている部分もあるのでイメージが湧きにくいかもしれませんが、ものすごく手間暇かけて作られているのです。
(私が見学した作業工程は上記の工程ですが、商品によってはロクロを利用するなど、全てが同じ作業工程になるわけではありません)
今回は、素地工程を行っている窯元さん、絵付け工程を行っている絵描きさん、九谷焼の脚とグラス部分を接合する工程を行っている清峰堂さん、清峰堂さんのギャラリー・陶創館(とうそうかん)の4ヶ所を見学させていただきました。
■九谷和グラスの素地工程を行っている三田製陶所さん
(写真には、九谷和グラスとは別の製品が写っている場合があります)
800度ほどの温度で素焼きします。
素焼きしたものは、する前と比べて一回り小さくなるそうです。
うわぐすりをかけるときに専用の器具で挟んでかけるので、器具の跡が付くのでひとつずつ検品して綺麗にします。
グラスの脚ができました。
ここから一旦絵付けの前に、清峰堂さんの元へ行きます。
長くなったので続きます。
コメント2件
すごい!すごい!続きたのしみ!
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