2008-03-18
カポーティ
★★★★★
アカデミー賞受賞も納得の、迫真の演技です。
フィリップ・シーモア・ホフマンさすがです。
泣いても笑っても、カポーティのしゃべりが崩れない。
夢中で見入ってしまいました。
ちなみにカポーティの肉声
http://youtube.com/watch?v=f0ZFCaQO1G4
フィリップ・シーモア・ホフマンの地声は低いほうですよね。
カポーティの肉声を聞いて、
あまりに似ているのでゾッとしました。
カポーティーを観てカポーティについて思ったこと。
・ペリー・スミスと出会わなければ、
晩年没落しないで済んだかも。
もしかしたら成り得たもう一人の自分を見つけてしまったら、
見なかったことにして通り過ぎるのが一番なんだろう。
それでももしかしたら自分がそうなったかもしれない道、
その後の顛末に惹かれるなというほうが無理かもしれない。
同情や感情移入というよりも、
「同化」、「共鳴」と言ったほうが当てはまる気がする。
この映画を観るとペリー・スミスが死刑になった瞬間、
カポーティも死んでしまったのではないかと思う。
ペリー・スミスは救えなかったもう一人の自分だったのかな、と。
ペリー・スミスに同化していたのは、
カポーティの裏口から出たかもしれなかったもう一人の自分。
作家として彼に取材を続け、
本のために同情する反面死刑を望んだのは表玄関から出た自分なのだろう。
その姿は「冷血」そのものでした。
フィリップ・シーモア・ホフマンは勿論ですが、
ペリー・スミス役のクリフトン・コリンズJrも素晴らしかったです。
映画に影響されて「冷血」を読み始めました。面白いです。
コメントを残す